2014年05月17日

求愛中です

サケふるで飼育中の唯一の鳥類、それがカイツブリです。
小さな水鳥で、可愛らしい姿に来館者の人気も高く、見入っているお客様も多いようです。

カイツブリの「ツブリちゃん」


こちらはメスの“ツブリちゃん”。脚に付いた赤い輪が目印です。


カイツブリの「カイくん」


そして、こちらはオスの“カイくん”。
この写真では脚輪は見えませんが、青い脚輪が付いています。でも、最近顔つきも、カイくんは少し男らしく、ツブリちゃんは女の子っぽくなったようで、脚輪以外でも何となく見分けが付くようになった気がします。


2羽がちょっと大人になったことを裏付けるように、このところカイくんがツブリちゃんに猛アタック。
何とか気を惹こうと頑張っているようです。

とにかく目立つのはすごい鳴き声。
先日のサイエンスカフェの時も、ひっきりなしにやられて少々困りました。

この可愛らしい姿からは想像できない、激しい鳴き声を動画の音声でお聞きください。



潜水したあと、動画の最後に聞こえるけたたましい声がカイくんの声です。
実際はこの音声よりもかなり大きい声に聞こえます。この声でツブリちゃんにアピールしているようなのですが、もう一つ困ったアピールがあります。


陸場にあるのは・・・



カイくんの後方、人工芝でできた緑色の陸場の上に、何やらあるのがお分かりいただけるでしょうか。
ちょっと拡大して見ると・・・

ごちそうプレゼント



そうなんです。こちらカイツブリたちに与えているエサの魚なんですが、カイくんは自分で食べる分以外に、せっせ、せっせと魚を陸地に並べ、ツブリちゃんに「はい、どーぞ」と、プレゼントしているようなのです。

ツブリちゃんがどう思っているのかはいまいち分かりませんが、でも、猛烈アピールにちょっと退き気味のようにも見えます。同時に見た目もいまいちで、飼育側も少々困ってます。

カイくんとツブリちゃんの関係は、これからどうなっていくのでしょう?
皆さんも、温かい目で見守ってあげてください。

ラベル:カイツブリ
posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☔| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月12日

通勤途中のお楽しみB − 水辺の鳥たち

ということで懲りずにもう一つ、通勤中に出会った鳥たちのお話し、今回は水辺の鳥編です。

ヒドリガモ


川岸にまで上がって、群れでエサをついばんだりしているのは、ヒドリガモです。オスは茶色い頭の中央に、黄色いラインが入っています。もう少しすると渡って行ってしまい、姿が見えなくなってしまいます。

この時期、こちらもよく見かけます。

コガモのペア


コガモのペアです。“子ガモ”ではなく、“コガモ”という種類です。手前がメスで置くがオス。オスのお尻の黄色い△がチャームポイントですね。顔の模様も意外に派手で、個人的に好きなカモ類の一つです。


DSCN0116.JPG


こちらはお馴染みのマガモ。左側がオスです。ペアでのんびり、仲良く並んでお昼(朝?)寝中。もう少しすると、千歳川流域でもマガモの親子が見られるようになると思います。

マガモによく似ていますが、クチバシや顔の模様がちょっと違う、こちらはカルガモです。

カルガモ


千歳川では、マガモほどには見かけないですが、以前、皇居のお堀に移動することで有名になったのが、このカモです。カルガモを撮影していたら、別の鳥がチラッと端っこに入ってたと思ったら、

カルガモとキアシシギ



パシャパシャと気持ちよさそうに、水浴びを始めました。


水浴び中のキアシシギ



こちらはキアシシギです。クチバシも名前の通りの黄色い脚もスラッと長い、“シギ”という鳥の仲間です。渡り鳥で北海道では春から秋にかけて見られ、冬には東南アジア、ニューギニア、オーストラリアなどに渡って越冬するようです。

キアシシギ



私自身は、千歳川では“イソシギ”はよく見かけるものの、キアシシギはこれまで撮影できたことが無く、しばらく撮影していたところ、少し嫌がられたのか草むらに隠れてしまいました。

草むらの中のキアシシギ



他にもカモではないですが、出勤時に千歳川の岸辺の、ほぼ同じ場所でさえずっているのがこちら。

キセキレイ



ちょっと前の記事にも登場しましたが、キセキレイです。同じ個体が同じ場所にいるのかどうかは、何とも見分けられませんが、通勤途中にほぼ毎朝、同じ場所で顔を合わせる生き物がいるというのは、何となく嬉しいものです。


さて、とても楽しい徒歩出勤。最近はお弁当と水筒、着替えと仕事道具などを入れたリュックを背負って、カメラ片手の出勤スタイルで出かけるのですが、出がけに娘がボソッと一言。
「お父さん、それって、仕事に行く格好じゃないよね、普通・・・」

いえいえ、普通だし、間違いなくお仕事に行ってますよー。でも、本当に楽しい徒歩出勤。
3km弱の道のりに潜む生き物たちの魅力に、すっかりはまってしまいそうです。


ラベル:野鳥
posted by チトセアメ at 07:10| 北海道 ☔| Comment(2) | フィールドのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

通勤途中のお楽しみA − 樹上の鳥たち

水族館のブログのはずが、結構鳥さんの話も多くて申し訳ないですが、昨日に引き続き、今回も通勤途中に見かけた鳥さんたちのご紹介です。

散り始めている桜の花には、ミツをついばみに鳥たちがやってきます。
こちらはサケふる職員駐車場のエゾヤマザクラに来ていた、カワラヒワです。

桜とカワラヒワ


鈴のような可愛らしい鳴き声と、羽の黄色がよく目立つスズメほどの大きさの鳥で、今の季節よく見かける鳥の一つです。ちょっとすると、スズメもやってきました。

カワラヒワとスズメ



こちらは、スズメによく似ていますが、よーく見ると種類が違うのが分かるでしょうか。

ニュウナイスズメ


この鳥はニュウナイスズメ。風が強く後頭部の羽が立って、寝癖のようになっています。スズメとはどんなところが違っているか、上のスズメの写真と見比べて見て下さい。


寝癖だったら負けてないのがこちら。

ヒレンジャク



尾羽の先が赤いので、ヒレンジャク(緋連雀)。黄色いキレンジャク(黄連雀)という種類もいますが、この時見えたのは、このヒレンジャク1羽だけ。4月には群れを千歳市内の色々な場所で見かけましたが、この子ははぐれてしまったのでしょうか。


最後は鳥ではないですが、こんな生き物も。

ニホンカナヘビ



こちら、ニホンカナヘビです。“ヘビ”と名が付いていますが、見た目通りトカゲの仲間です。暖かくなり、爬虫類も活動を始めたようです。

続いてもう一つ、水辺の鳥編もいっちゃいましょう。


ラベル:野鳥 は虫類
posted by チトセアメ at 06:36| 北海道 ☔| Comment(0) | フィールドのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月11日

通勤途中のお楽しみ@ − 鳥たちの巣作り

千歳のサクラも随分と散ってしまい、千歳川の河畔もサクラのピンク色から濃い緑が目立つようになってきました。すっかり陽気も良くなってきたので、気が向いたときには徒歩で通勤するようにしています。
自宅からふるさと館まで、せっかくなので少し遠回りして千歳川沿いを歩くと片道およそ3.5km。色々な生き物たちとの出会いを楽しみながらの、贅沢な出勤タイムです。

今は鳥たちも恋の季節。通勤途中に、鳥たちの巣を見つけるのも楽しみの一つです。

まずは、巣作りして人間に迷惑がられるこちら。

ハシブトガラスの巣


ハシブトガラスの巣です。青っぽく見えているのは、何かプラスチックでしょうか。
公園などに作るとすぐ撤去されてしまうこともありますが、ここは何とか無事に、既に卵を温め始めているようでした。


こんなところにも、鳥さんの巣がありました。

JR高架下の穴


JR千歳線の高架の下側に開いている穴です。ここから出入りして巣作りしているのは・・・

ドバト


こちらのドバトでした。巣材らしきものをクチバシにくわえて、ちょくちょく出入りしています。しかし、電車が通るたびかなりの騒音だと思うのですが、よく平気なものです。


上の穴から足下に目を移すとこんな光景も見られました。

むしられたドバトの羽


引き抜かれた手羽


ちょっと可哀想な状況でしたが、ハヤブサなどの猛禽かそれともキタキツネなどにやられたのでしょうか。こんな街中でも、生き物たちにとってはなかなか厳しい生存競争があるようです。


さて、ここまではちょっと前置き。この時期の一番の楽しみは、実はこちらです。

イワツバメの巣


4月下旬くらいから始まっている、イワツバメの巣作りです。
この巣は昨年も使っていたものだったのですが、上の入口部分がかなり欠けてしまっていて、ペアで補修作業を始めたようです。このペア、昨年この巣を使ったペアと同じかどうかは分かりませんが、割り込もうとする他のイワツバメたちを追い払いながら、一生懸命補修していました。


イワツバメの巣の材料はこちら。

泥と枯れ草をくわえるイワツバメ


泥と枯れ草などをくわえているのがお分かりいただけるでしょうか。
イワツバメは泥や土に唾液をまぜ、それに枯れ草や植物の根などをつなぎにして、巣を作っていきます。巣材集めの場所はだいたい決まっていて、次々に飛んできては材料を素早くくわえ、また巣へと戻っていきます。

巣材を集めるイワツバメ


巣材を集めるイワツバメ



時には夢中になって、人のいるすぐそばまで飛んでくることもあります。

巣材を集めるイワツバメ



こうして集めた巣材で、補修されていった巣はこんな感じです。

補修中のイワツバメの巣


補修中のイワツバメの巣


茶色の濃い部分が新たに付けられた巣材です。入口部分がどんどん盛り上がり、少しずつ小さくなっています。

昨日の朝は、ついに完成したと見えてこんな感じでした。

イワツバメの巣



2羽がせまい巣の入口で顔をピッタリ寄せ合う様子がなんともいえず可愛らしいです。
これからいよいよ抱卵、そして子育てが始まるのでしょう。なるべくお邪魔しないように、あまり長々立ち止まらないようにしながら、これからも様子を見ていきたいと思います。


こんな風に色々な生き物が私の足を止め、あれこれ見たり撮したりながらの通勤なので、タッタカ歩けば30分ほどの道のりのはずが、夢中になりすぎ50分近くかかってしまうことも。最後はランニングになって朝から一汗かくこともしばしばです。

これからも通勤中に見かける、身近な生き物たちの様子もご報告したいと思いますので、お付き合い下さい。

ラベル:野鳥
posted by チトセアメ at 23:59| 北海道 ☔| Comment(0) | フィールドのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月10日

サイエンスカフェ開催

昨晩、閉館後のサケふる館内にて「サイエンスカフェおさかな北海道 at 千歳サケのふるさと館」が開催されました。北海道区水産研究所のみなさんと共催で、2012年11月から不定期に開催しているこの取り組みも、今回で第4回となりました。

今回のテーマは「千歳川におけるサケマス人工孵化事業130年の歴史」です。歴史をテーマとしたのは、4回目にして初めてでしたが、身内も含め20名ほどにご参加いただきました。

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お話し下さったのは、元さけますセンター所長でいらっしゃった野川秀樹様で、現在もふ化放流事業の史料や技術史の整理をなさっているそうです。
そのため、今回のお話しも実に多くの古文書を紐解かれ、そうした史実に基づいた大変興味深いお話しでした。

DSCN0402.JPG



千歳川における人工ふ化事業は、今からおよそ125年も前の明治21年に始まったのですが、それ以前の千歳川におけるサケの産卵状況や資源量、ふ化事業が始まるに至る経緯やインディアン水車設置のいきさつなど、これからの解説に使えるネタ満載のお話しでした。

実はこれまで説明に使っていた内容にも、1部修正が必要だということが分かったり、目から鱗のとても勉強になった1時間半でした。


次回開催日程はまだ未定ですが、毎回とてもためになるお話しが、専門の研究者の方から飲み物片手に気軽に聴けるサイエンスカフェ。お時間合いましたら、次回ぜひ皆さまもご参加下さい。



posted by チトセアメ at 21:22| 北海道 ☔| Comment(0) | イベントのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月08日

ツルッといただきました

水中観察室から見えるサケ稚魚の姿は、ゴールデンウィーク明けて以来、すっかり少なくなってしまいました。でも、代わって新たな魚たちも登場しています。

一時、ずっといた常連さんに代わって、最近窓の前にいついているのはこちらのアメマスです。

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30cmほどと小さく、以前いたアメマスのような迫力はありませんが、魚体の美しさはなかなかのものです。


本日夕方、たくさん見えていたのは大きなエゾウグイたちです。

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中には、遡上してきたサクラマスと見紛うような、40cmを超える大物もいて、かなりの迫力でした。

そしてヤツメウナギの仲間、スナヤツメの姿もありました。

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実はこの写真は、今日見えたスナヤツメではありません。今日のスナヤツメには、写真を撮る前に予想外の災難が降りかかり、撮影することができなかったのです。カメラを持っていなかったのでスマホで撮影しようとしたところ、大きなエゾウグイがおもむろにスナヤツメに近づくと、なんと“ツルッ”と尾の方から吸い込んでしまったのです。

決定的瞬間に慌ててシャッターを押しましたが、結局撮れていたのはこの一枚だけ。

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矢印の先、エゾウグイの口の端から頭だけ出ている哀れなスナヤツメがお分かりいただけるでしょうか。
それにしても、ろくに逃げることもできずあまりに簡単に食べられてしまったスナヤツメ。15cmほどはあったのに、つるっつるッツルッと、3回の吸い込みで全身飲み込まれてしまいました。動画で撮影できなかったのが悔やまれますが、エゾウグイにとって、産卵に来ているこの時期のスナヤツメは、結構いいカモなのかもしれません。


その他、今日の夕方にはこんな魚も登場しました。

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これもスマホ撮影なので写真がいまいちですが、ヤマメです。
それも尺(30cm)クラスの大きなヤマメでした。水中観察室では、このサイズのヤマメを見かけることはなかなか無いのですが、今日は2匹も同時に登場。予想外のことが次々と起き、ちょっと興奮してしまいました。


明日は何が起きるでしょうか。
これからの季節の水中観察室、ぜひじっくりと時間をかけて観察してみて下さい。思いも寄らない出来事や生き物に、遭遇できるかもしれません。

posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☔| Comment(0) | 水中観察室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月05日

サケ稚魚放流三昧

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サーモンパークの桜もようやく花開き、本日子どもの日は、恒例のサケ稚魚放流イベント「サーモンフェスティバル」が開催されました。


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まずは子ども太鼓「結楽(ゆら)」の演奏で、稚魚の旅立ちを応援です。桜と鯉のぼりの下での演奏は大変素晴らしく、皆さん聞き入っておりました。


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サモン君も応援に駆けつけてくれましたが、あっという間に子どもたちに取り囲まれる人気ぶりでした。
心配されたお天気も、風が少し強かったものの何とかもって、多くの方に稚魚の放流にご参加いただきました。本当にありがとうございました。


さて、館内ではこのブログでも紹介した他に、明日までのGW限定で新たなふれ合いコーナーができています。

スジエビすくいやアメリカザリガニ釣りコーナー

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そして、チョウザメとナマズのタッチプール

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また、何と言っても一番人気は今年初登場の「サケ稚魚すくい」のコーナーです。
金魚すくいの「ポイ」を使って、サケの稚魚をすくっていただき、その稚魚を放流するというものです。ご参加には1回に付き、ポイ代10円を頂戴しております。

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5月3日から始めたのですが、連日行列のできる予想以上の人気ぶりです。サケ稚魚は金魚に比べかなり軽いので、水さえ大量にすくわなければ、そう簡単にポイは破れないので、小さなお子さんでも次々とすくうことができます。お陰でサケ稚魚もポイも予定数量をかなり上回ってしまい、できるだけ多くの方にご参加いただけるように、本日と最終日の明日はポイが破れてもお一人様2匹までとさせていただきましたので、ご了承下さい。

もちろん、釣りキチ三平展メダカ展も開催中です。いよいよ明日で連休も最終日。
皆さまのご来館を、お待ちいたしております。


ラベル:サケ稚魚
posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☔| Comment(0) | イベントのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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