2014年06月10日

イクメンです!

イトヨのペア


バックヤードで飼育しているトゲウオの仲間「イトヨ」が産卵しました。
イトヨはオスが水草などを使って鳥のように巣作りをして、そこにメスが卵を産み、ふ化するまでオスがせっせと世話をします。


婚姻色が出たイトヨのオス


成熟したオスは、背中が青くお腹が赤い婚姻色を現し、結構派手な体色になります。
巣はどんな感じかというと・・・

イトヨの巣


矢印のところにあるのが巣ですが、少々分かりにくいですね。少しアップにしてみます。


イトヨの巣


せっかくレイアウトしていた水草のヘアーグラスを見事になぎ倒し、固めて上手に巣にしています。
さらに拡大して見ると

巣の中の卵


透明な卵が入っているのが分かるでしょうか。
お父さんは頻繁に巣の入口にやってきては、胸ビレを使って卵に水を送ったり、口でつついて巣の形状を整えたりしています。
卵が見えているのが気に入らなかったのか、巣の形状はこのあとどんどん変わり、最後は水草でしっかり隠されてしまいました。

ちょっとだけ、オスのお世話の様子を動画でどうぞ。




順調にいけば、1週間から10日ほどで稚魚がふ化してくることでしょう。
ふ化したら、皆さまにもご覧いただけるよう展示に出したいと思っていますので、もうしばらくお待ちください。


ラベル:トゲウオ類
posted by チトセアメ at 23:56| 北海道 ☔| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月08日

集まり始めました

婚姻色のウグイたち


この時期恒例、産卵期を迎えたウグイたちの姿が、観察窓に集まり始めました。
といっても例年よりも少々早い登場で、昨年は6月25日頃、一昨年は6月15日頃でしたので、さらに一週間ほど早いということになります。


鼻のとがったエゾウグイ


今年、もう一ついつもと違うのは、写真のようなエゾウグイがウグイよりも先に結構集まっていることです。例年はウグイの産卵から始まってエゾウグイの産卵に移行していたのですが、順番が逆になっているようです。


まだ集まっているのは一つの窓だけで、数もあまり多くはありませんが、恐らく今週中には大群がやってきてくれるのではと、期待しています。
ライブカメラからもご覧いただけますので、興味ある方はぜひどうぞ。


ちなみに、今日は雨の影響もあってか、このところ毎日数匹しか見えていなかったサケ稚魚もかなり見えていました。

サケ稚魚とサクラマス稚魚


オレンジ色の矢印の先がサケ稚魚で、ちょっと大きいのがサクラマスの稚魚です。
体の大きさはかなり小さく、自然産卵のサケ稚魚でしょうか。

今月中旬過ぎくらいまでは、窓の右手前上方、水面近くを泳いでいることもありますので、川底近くのウグイだけに目を奪われず、サケの稚魚たちも探してみてください。


ラベル:コイ類
posted by チトセアメ at 23:59| 北海道 ☔| Comment(0) | 水中観察室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月05日

カイツブリの卵

ご報告がかなり遅くなってしまいましたが、先日のカイツブリの卵の続報です。
恒温器に入れ、転卵(卵の上下をひっくり返すこと)を繰り返し様子を見てきましたが、結果はこちら。

カイツブリの卵



写真では分かりにくいかもしれませんが、懐中電灯の光を当てて透かしてみても黄身の周りに血管の発達等は全く確認できず、どうやら無精卵で間違いなかったようです。

未練たらしくしばらく置いていましたが今回は諦めました。
その後、産卵は続いておりませんが、次の卵を楽しみに待ちたいと思います。

ラベル:カイツブリ
posted by チトセアメ at 23:57| 北海道 ☔| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月24日

通勤途中のお楽しみE − 鳴き声の主

通勤報告今回も3連発で、最後はまた鳥の話題から。

1年ぶりにお目にかかったこの綺麗な鳥はキビタキです。

キビタキ


黒と黄色のコントラストが鮮やかですね。夏鳥でこの時期千歳でも時々見かけます。

キビタキ


昨年はかなりの高頻度で出会えましたが、今年は果たしてどうでしょう。


もう1種類、こちらのちょっと地味目な鳥をご存じでしょうか。

ウグイス


鳴き声を聞くことはよくあっても、あまり姿を見かけることは無いかもしれません。
ヒントは「ホーホケキョッ!」といえば誰もが知ってる、そう、西川のりお師匠・・・ではなく、ウグイスです。

鳴き声の割には色もパッとせず地味な姿で、声はすれども姿は見えず・・・。
枝の間に入られてしまうとこんな感じで、なかなか見つけるのは困難です。

枝の間のウグイス



こちらは鳴いているときの写真。全身で鳴いている感があります。

鳴くよウグイス



この日は珍しく、ウグイスが良く姿を見せてくれたので、動画でもどうぞ。




ウグイスに夢中になっていたら、別の方向から何やら「チョッ、チョッ!」という、ちょっと前に聞いたような鳴き声が・・・。
覗きに行ってみると、やはりいました。

エゾリス



毛の生え替わりの時期なのでしょうか。毛並みがまだらになっています。
枝を飛び移っていくのを目で追いかけていると、突然止まって何やらかじり出しました。


エゾリスお食事中


カリカリカリカリ、結構大きな音を立ててかじっています。形状は木の皮のようですが、何でしょう?

見上げているこちらに気づいて、エサをくわえたまま覗き込んできました。

エゾリス


かじっていたものをよーく見ると、模様が何となくカメのお腹の甲羅の一部のようにも、思えますが、果たして・・・?

このエゾリスを見かけた公園では、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)が何匹かウロウロとしていて、以前ひっくり返っている死骸も見かけたことがありますが、でもそんなのをリスが食べるでしょうか?

結局何をかじっていたのかは分からないまま、エサをくわえて去っていってしまいました。

とりあえず、フィールドの話題は一区切り。
今日はお休みをいただいて、これから美幌で行われる第14回淡水魚保護フォーラム「手作り魚道から始まる地域の自然再生」に参加してきます。

ご都合付く方いらっしゃいましたら、ぜひどうぞ。

ラベル:野鳥 ほ乳類
posted by チトセアメ at 06:01| 北海道 ☔| Comment(0) | フィールドのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

通勤途中のお楽しみD − ムシムシしてきました

“ムシムシ”といっても、単に暑くなったということではありません。
咲き始めた花とともに“虫”たちの動きも活発になってきて、色々な昆虫を目にするようになってきているのです。

モンキチョウ交尾中


花の蜜を求め、チョウも飛び回っていますが、こちらは交尾中のモンキチョウ。
近づいてカメラを向けても、全然気にせず逃げもしません。何と、クモが乗ってきても知らん顔でした。

クモに乗っかられる



うーん、すさまじい集中力というか何というか・・・。クモの方がそそくさと逃げていきました。

こちらはシジミチョウの仲間、ベニシジミです。

羽を閉じたベニシジミ


閉じていると地味目な羽も、広げるとこのとおり。

ベニシジミ春型


ベニシジミには春型と夏型があるのですが、このオレンジの派手さは春型のみのものらしいです。

こんな少し可哀想な姿も見かけました。

羽化失敗


ミヤマカラスアゲハでしょうか。羽化に失敗したらしく、一方の羽がシワになってしまっていて、飛べないようです。生き残るのは、きっと難しいでしょう。

花にはこんな虫も集まっていました。

タンポポに集まるクロヤマアリ?


甘いもの大好きなアリさんたちには、タンポポの蜜も美味しい食料なんですね。

ヒメセアカケバエでしょうか。ケバエの仲間で胸部の背中側が赤い種類もよく見かけます。この種は色々いるようで、はっきり分かりませんでした。

ヒメセアカケバエ?



同じくハエ目の足の長い巨大な蚊のようなガガンボの仲間もいました。

ガガンボの仲間



ガガンボは、幼虫時代を水の中で過ごす水生昆虫なのですが、千歳川沿いの遊歩道の欄干に、こんなものも見つけました。

カワゲラの羽化殻


分かりにくいかもしれませんが、カワゲラの仲間の羽化殻です。
しかし、幼虫は川の中から上ってきたのですから、ゆうに2m以上も壁や欄干を上って、このてっぺんで羽化したことになります。もっと水の近くで羽化した方が楽でしょうに、なぜなのでしょう。


せっかく頑張って羽化したのに、すぐ近くではカワゲラの仲間の成虫が、クモの巣にかかってしまっていました。


クモの巣にかかったカワゲラの仲間



今は通勤時が楽しいですが、これから夏になると街灯に集まる夜の昆虫観察も興味深くなっていきます。
千歳川沿いの通勤路、本当に贅沢な時間を過ごさせてくれます。

posted by チトセアメ at 01:18| 北海道 ☔| Comment(0) | フィールドのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月23日

通勤途中のお楽しみC − お花見

三日坊主で終わらず、何とか徒歩での通勤は続いています。
通勤路の桜は一部を残してすっかり散ってしまいましたが、代わりにこの時期、たくさんの花々が咲き始めました。桜のように頭上にではなく、ほとんどは足下に咲く小さな花たちです。


ムスカリ


こちらは園芸品種でムスカリの1種。鮮やかな青紫色が目を惹きます。北海道にあると一見ラベンダーと勘違いしてしまいそうです。花壇だけでなく、そこから分布を広げて河川敷などでもちょくちょく見かけます。


オオバナノエンレイソウ


こちらもこの時期よく見かけるオオバナノエンレイソウ。白くて大きくて、数がまとまって咲いているとものすごく目立ちます。

花が小さくて赤っぽい、エンレイソウも時々見つかります。

エンレイソウ



スミレの仲間も、この時期小さくて可憐な花を付けています。
でも、種類も多くよく似ているので、勉強不足でまだ種名がよく分かりません。

タチツボスミレ?


タチツボスミレ?



小さくて目立ちませんが、フデリンドウや

フデリンドウ


レンプクソウなどもとてもかわいい花です。

レンプクソウ



あまり花っぽくないルイヨウボタンや

ルイヨウボタン


じっくり見るとちょっと背中がむずがゆくなってきそうなマルバネコノメソウ?

マルバネコノメソウ?



エゾエンゴサクによく似たムラサキケマンなども見かけました。

ムラサキケマン



ちょっと変わったところでは、“ベニスズラン”の別名を持つベニバナイチヤクソウも咲いていました。

ベニバナイチヤクソウ


黄色くて目立つのは、やはりセイヨウタンポポでしょうか。

セイヨウタンポポ


アメリカからやってきて、今やタンポポといえばこの種が圧倒的に多いようですが、もともと日本にいたタンポポも、ごくたまに見かけます。

エゾタンポポ?


こちらは在来のエゾタンポポでしょうか。矢印の先にある“総苞片”が上に向いています。
セイヨウタンポポはというと

セイヨウタンポポ


“総苞片”が反り返っているのが分かるでしょうか。ここで見分けることが出来るらしいです。


ずらずらと、撮影した花の写真を並べてきましたが、最後にこちら。

クサノオウ


黄色い花はクサノオウです。ちょっと可哀想ですが、茎の先を少し折ってみると

黄色い乳液


黄色い乳液が出てきました。この液には有毒なアルカロイド成分が含まれているらしく、皮膚に触れると炎症を起こすこともあるらしいです。以前知らずに触ってしまったことがありましたが、幸い私は大丈夫でした。帰ってから図鑑を見て、ビックリした次第です。

薬草としても使われていたらしく、黄色い液から「草の黄」、または薬草の王様で「草の王」など名の由来には諸説あるとか。

色々名前も出してきましたが、専門外なので、もし間違っていたらすみません。
でも、このように道端の小さな花も、実に多種多様です。こういうのにいちいち引っかかるので、なかなかふるさと館にたどり着けないんですよね。

これからさらに暖かくなると、ますます楽しい観察ができそうですが、通勤時間もどんどん長くなりそうです。少し自重するか、出勤時間を早めなければいけないですね。

ラベル:
posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☔| Comment(0) | フィールドのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月18日

産んじゃいました!

昨日、熱愛?をご報告したカイツブリのカイくんとツブリちゃんですが、何と今朝こんな状況になっていました。

人工芝の上に・・・


カイくんが、エサを並べて困るとお話しした人工芝の上に、コロンと乗っかる白い物体。
そう、1つだけですがツブリちゃんが初めて卵を産んだようなのです。
何という、やらせのようなタイミング。

カイツブリの卵は初めて見ましたが、卵の左側にいるカイくんと比べても、意外に大きい! そして白い!


ツブリちゃんの卵



本来、カイツブリは水面に水草などで浮巣を作り、そこに産卵するようです。
今回は浮島の人工芝の上に、少しだけ抜けた羽毛が集められていて、何となく巣作りをした気になったのでしょうか。

巣材もないし、急に産卵にいたるようなことはあるまいと油断していた私たちは、突然のことに朝から大わらわ。
親鳥たちは全く卵を抱く気配もなく、さてどうしたらよいのやら。

カイツブリをお分けいただいた井の頭自然文化園の皆さんや、鳥に詳しくカイツブリがらみではいつも助けていただいているCarpさんに連絡を取り、どうにかこうにか対処しました。

とりあえず、卵はバックヤードの恒温器に入れて様子を見ています。初産の卵は多くの場合無精卵らしく、あまり期待はできないらしいですが、4日後くらいには検卵すれば発生しているかどうかが分かるらしいです。

また、このあとも続けて卵を産む可能性があるとのことで、早速巣材となりそうな植物を集めて、浮島の上にまとめてあげました。

急ごしらえの巣



作った私自身、あまり良い出来ではないなと思いはしましたが、カイくんはさらに気に入っていない様子で、草を引っこ抜いては移動させたりしていましたが、明日の朝にはどうなっているでしょうか。

果たして、卵は有精卵なのでしょうか? そして今後も産卵は続くのでしょうか?
続報をお待ちください。


ラベル:カイツブリ
posted by チトセアメ at 23:59| 北海道 ☔| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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