少し古いお話ですが…
2月初旬の晴れた昼間の出来事です。
養魚場での仕事を終えて、車の助手席から荷物を入れ、車の鍵をポンと運転席に投げてドアを閉め、さあ帰ろうと運転席側のドアを開けようとしたら…
鍵が閉まっている!!一瞬何が起こったか分からず、でも気づいたときにはもう遅い。ケータイを含む全ての荷物は車の中でした。
人里離れた養魚場、林道には車や人影も見えない。
まだ慣れていないタッチャンなら、助けを求めて数キロもある林道を歩くところでしょう。でも私は養魚場の上は住宅街で、よく山(住宅街)から散歩等で人が降りてくるのを知っていたのでした。
実は住宅街まで一回登ってみたいと思っていた私、これはラッキーと登り始めました。山といっても、養魚場からはすぐ住宅が見えるので、そんなに大変ではありません。5分ぐらいでしょうか、無事登って住宅地にたどり着き、近くのコンビニで電話を借りて助けを求めることができました。
これで一安心。山を下りた後、救助の車が来るまで養魚場の周りをプラプラとしてました。この日は快晴で寒くもないし、直に救助も来ると思えば気分も晴れやかです。
白さがまぶしい雪道を歩いていたら、雪の上を歩く黒い昆虫を発見しました。

いわゆる「セッケイカワゲラ」ではないか!とうれしくなりました。
よく見ると、4匹ぐらいが真っ白い雪の上を歩いていました。すぐ近くのママチ川には幼虫がいるのだろうと推測できます。
そうこうしているうちに救助の車が到着、助けに来たのは館長でした。感謝、感謝です。
その後、電話を貸してくださったコンビニに立ち寄ってお礼を言い、無事サケふるへ帰りました。
後日このカワゲラについて、昆虫に詳しい方に聞いたら、ユキクロカワゲラの仲間だと教えていただきました。ユキクロカワゲラはかつてはセッケイカワゲラと呼ばれてましたが、雪渓というと夏のイメージで誤解を受けるため改称されたそうです。しかも、カワゲラの専門家の話では、種のレベルでいうと未記載種(いわゆる新種)とのことでした。
以前水生昆虫の調査をした時、採集したカワゲラの多くが種の判別までできなかったことを思い出し、昆虫の世界はまだまだ奥が深いなあと改めて感じました。
鍵のインロックはかなりショックでしたが、その後新たな発見もあり、ホント良かったです。
そしてこの事件以降、車の鍵は必ず身につけるべしと肝に銘じたのでした。
posted by りかちゃん at 19:38| 北海道 ☁|
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