今、観察窓の前には3種類のウグイが集まって産卵行動をしています。
普段は姿がよく似ているため見分けにくいこの3種ですが、産卵期の婚姻色が出ると
その違いが分かりやすくなります。
これが普通のウグイ。体が黒ずんでいて、横に赤い3本線が出ています。
3種類の中では一番赤い部分が多く、「アカハラ(赤腹)」の別名に最もふさわしい
種類です。残りの2種はこちら。
上がマルタウグイで下がエゾウグイです。
マルタウグイは基本的に全身黒っぽく、腹部が白くなり、そのお腹の白い部分の上に
赤い線が1本出ます。また、背びれの付け根やエラぶたの上の部分も赤くなります。
エゾウグイは体側に黒い線が出て、エラぶたの下のほっぺたの部分と、各ヒレの付け根が
赤くなります。
こうして並べてみると、よりその違いがはっきりすると思いますが、ではこれは?
写真中央のこの個体、恐らくエゾウグイとマルタウグイの雑種だと思います。
上の写真と見比べると、婚姻色と体形の混ざり具合がよく分かるのではないでしょうか。
他にも、色々と怪しげな婚姻色を呈した個体が、チラホラ見受けられます。
この3種、時期も場所も似通って産卵しますので、雑種ができてしまうのも当たり前と
いうところでしょうか。でも、そうすると種のあり方ってどうなっているのでしょう?
本当に不思議なウグイたち。
外道として粗末に扱う前に、その魅力にも少し目を向けていただきたいものです。