2011年05月23日

チョウザメ採卵報告 その2

翌日5月17日、まずは10時頃からアムールチョウザメのオス2匹の採精から挑戦です。
今回も、北海道大学の足立先生と学生さん達の全面的なご協力の下に採卵を実施しました。

精子は幸先良く出るかと思いきや、どちらも出ない。
続いてシロチョウザメのオス2匹は・・・・やっぱり出ない。
では、アムールチョウザメのメスは・・・1匹のお腹がだいぶ柔らかく、希望がもてそうでしたが、やっぱり2匹とも出ない。
次はいよいよハクちゃん(22歳のシロチョウザメのメス)は・・・やはり出ない。
結局1回目の確認は、全敗に終わりました。

気を取り直して、14時から2回目の確認・・・ 全敗。

さらに18時から・・・・・、そして22時・・・・・・・ 結局、この日は何事もなく終わってしまいました。
この時点で、かなり嫌なムードが漂い始めました。

北大の皆さんがホテルに戻られた後、日付が変わり18日の午前1時。
1人残ってとりあえずメス3匹のお腹を押してみましたが、卵はやはり出てきません。
一旦帰宅してシャワーを浴び2時間仮眠。半分諦めつつも午前5時に出勤し、祈るような気持ちで水槽を覗くと、ありました!
こぼれた黒い卵が、水槽の底にたくさん落ちています。
メスのお腹を確認すると、どうやらハクちゃんの卵のようでした。


さて、携帯電話で皆さんを起こして非常招集。ここからは大忙しです。
麻酔をかけ、ハクちゃんお腹をしぼるとこの通り。

P5180019.JPG

出るわ出るわ。前回の卵に比べ、状態もとても良さそうです。
でも、肝心のオスの精子は、どうしても出てきません。そこで、受精率が下がるのは承知で、足立先生が準備してくださった、シロチョウザメの冷凍精子を使いました。

P5180016.JPG

この缶の中で、精子は液体窒素によって冷やされています。精子は細いプラスチックの管に入れられていて、それを使って授精させました。

DSCN4889.JPG

チョウザメの卵は粘性があって、ベタベタとくっつくので、受精後は脱粘処理をしてくっつかないようにしてやらなければなりません。
ヘラでかきまぜ、薬品を何回も換えながら粘性をとっていきます。

P5180170.JPG

粘性をとるのにかかる時間は、1ボール当たり約20分。次々採れる卵に、人手の方が足りなくなってきました。みんなでかき混ぜていると、ちょっとした料理教室の雰囲気です。

P5180169.JPG

その後、ハクちゃんを休憩させながら全部で4回採卵しました。
採れた卵はご覧の通りです。

DSCN4896.JPG

直径25cmほど、高さ50cmほどの孵化用容器に入った黒いチョウザメの卵は、推定10万粒くらいあったでしょうか。しかし、凍結精子なので、受精率が気になります。少し経ってから卵を顕微鏡で見ると・・・。

DSCN4913.JPG

中央の卵に、卵割が起きているのがご覧いただけるでしょうか。
割合はかなり低いものの、どうやら授精しているものもあるようで、一安心。


18日18時、最後にもう一度だけアムールチョウザメを確認して終了しましょうということになり、すっかり油断したムードの中、オスを確認すると、何と出ました。

P5170205.JPG

注射器の中に白く濁った液体が。フレッシュな精子です。
これでメスが出たら笑い話だね、何ていいながらメスをしぼると、注射から30時間以上経過しているのに、これまた見た目とても良い卵が出てきました。

DSCN4930.JPG

結局このまま、今度はアムールチョウザメの採卵が始まりました。日付変わって19日午前0時の採卵でとりあえず終了。朝8時から再び卵を採り、最終的にはアムールチョウザメも2、000〜3,000くらいの卵は採れたように思います。しかも、こちらは精子の活きも文句なし。
この3日間で睡眠時間約5時間。さすがにバテましたが、シロもアムールも人工授精にこぎ着けられ、ちょっと興奮気味で、あまり眠気は感じませんでした。

シロチョウザメもアムールチョウザメも、無事孵化すれば道内初の成功例となるようです。
孵化予定はおよそ10日後。果たして今回は上手く孵化してくれるでしょうか。

結果報告を、楽しみにお待ちください。




ラベル:チョウザメ
posted by チトセアメ at 03:22| 北海道 ☁| Comment(8) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月22日

チョウザメ採卵報告 その1

すっかり遅くなってしまい、申し訳ありません。
ちょっとだけ予告をしておりましたが、先週、大水槽のチョウザメたちの人工授精を試みましたので、その経過についてご報告します。

前回は2009年6月に実施、シロチョウザメのハクちゃんから卵が採れたものの、残念ながら孵化はしませんでした。今回はその反省を踏まえての再挑戦です。

まずは5月16日、午前中から大水槽のチョウザメを取り上げます。
私が大水槽に潜って水面につるした担架へチョウザメを追い込み、陸上部隊がホイストを使って引き上げます。

P5160136.JPG

担架にうまく入ったかと思いきや

P5160116.JPG

大暴れされ逃げられてしまうこともしばしば。そう簡単には捕まってくれません。
今回は大水槽のチョウザメ7匹が相手でしたので、ちょっときつかったです。

無事に担架に入れることができたら、麻酔槽に入れて麻酔をかけ、ホルモン注射を打ちます。今回の注射担当は、ちょっと怖いナースりかちゃんでした。

P5160161.JPG

注射後は畜養用の簡易水槽へ運びます。

P5170203.JPG

初日はとりあえずここで終了。
注射後、約24時間後からいよいよ採卵、採精にチャレンジです。
果たして、上手く人工授精は出るのでしょうか。次回へ続く。


ラベル:チョウザメ
posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☁| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月30日

飛び出す絵本!!

カイツブリの飛び出す絵本が、完成しました。
実は作成し始めたのは、もうかなり前のこと、気づけば春に季節が変わってしまいました・・・!!

最初はどんなカイツブリのキャプションにしようか迷いましたが、チトセアメさんに色々相談し、
私が言ってしまった「飛び出す絵本なんかどうですか?」の一言から決まりました。
軽い気持ちで絵本と言ってしまったのですが、作り始めると次々に難題が襲いかかり、自分の発言をそのまま形に残すのはとても難しいということを実感しました。
加えて、調子に乗ってどんどんハードルをあげてくるチトセアメさん。
そのせいで、こんなに時間がかかってしまいましたが、りかちゃんさんなど、チトセアメさんの手綱を引いてくださる皆さんのご協力のおかげで、完成することができました。

完成したのがこちらです。
   ↓
カイツブリ絵本1.jpg

開いた状態がこちら
   ↓
カイツブリ絵本3.jpg


飛び出してくる2羽のカイツブリの絵は、昨年ふるさと館に実習で来ていた丸田さんに書いてもらいました。丸田さんは、大水槽の「おさかなずかん」も作ってくださっています。
すごく可愛く書いていただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。

カイツブリの性格やエサなど、みなさんにもっとカイツブリを知っていただけるよう、頑張って作りました。カイツブリの羽に触ることもできます。

是非、カイツブリの飛び出す絵本を見にサケのふるさと館にきてください。

posted by タッチャン at 13:34| 北海道 ☔| Comment(2) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月18日

目指せ!コンプリート

5月一杯まで、毎日午前11時と午後2時の2回行っているサケ稚魚放流体験では、
参加してくださった皆様に、記念カードをプレゼントしています。

一応、毎年デザインを変えていたのですが、これまでは同じ年には1種類のデザ
インだけということになっていました。ですが今年はちょっと変更。
昨日、5月17日の大安から、この記念カードが、一気に5種類に増えました。


DSCN4469.JPG

サケの卵から、親になって戻ってくるまで、それぞれ写真もデザインも違います。
実は裏に書いてある解説も全て異なっていて、全種類集めるとサケの一生がよく
分かるようになっています。

その日の放流にどのカードが出てくるかは、受付のお姉様方の気分次第。
5月の放流体験終了までに、5種類全て集められる方は現れるでしょうか。
皆様のチャレンジを、お待ちしております。

posted by チトセアメ at 02:04| 北海道 ☁| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月08日

木登り

DSCN3882.JPG

千歳川水中観察室の、両生類コーナーにいるトウホクサンショウウオです。
小型のサンショウウオで、つぶらな瞳がなかなかかわいいですね。
でも、今いる場所は・・・

DSCN3877.JPG

自分の体長の倍ぐらいある、高さ20cmほどの流木の上でした。
飼育して3年くらいになりますが、この木の上に上ったところは、あまり
見たことがありません。普通に水槽の壁なども登るので、別に不思議で
はないのですが、でもあまり見慣れない姿で、ついつい紹介してしまい
ました。

カメラ近づけてもフラッシュ焚いても動きもせず、もしかして高いとこ
で足すくんでる???・・・ とも思いましたが、そんなことはやはり無く、
10分後には何事も無かったように水の中でした。

木登り、楽しかったのかな?

ラベル:両生類
posted by チトセアメ at 08:00| 北海道 ☁| Comment(2) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月07日

カレイに泳ぐ!

先日、サンピアザ水族館と生物交換を行い、高級カレイ「マツカワ」が
日本海水槽に仲間入りしました。

マツカワは、カレイの中でも最も美味しいと絶賛する人がいるほどで、煮付け
のみならず、刺身でも美味しく、北海道太平洋沿岸では「鰈(カレイ)」の
「王様」を意味する「王鰈(おうちょう)」というブランド名もあります。

以前にも、同じくサンピアザさんから分けていただいたマツカワを展示した
ことがありましたが、このマツカワたち、ちょっと変わっています。
カレイといえば、海の底にくっついて生活していることが多いはずが、なぜか
落ち着き無く泳ぎ回っているんです。


DSCN3891.JPG

下の方からクロソイが、不思議そうな視線で見上げています。
そういえば、中川翔子(しょこたん)さんが来館されたときも、この泳ぎ回る
カレイに驚いていました


なぜ泳ぎ回るのかはよく分かりませんが、お陰で水槽は随分にぎやかになり
ました。カレイなのに表も裏も見放題なのは、かなりお得です。
先住民のヒラメも、自分の場所を奪われず一安心。


泳ぎ回るマツカワの様子は、千歳民報さんの記事に良い写真がありますので、
そちらもちょこっとご覧ください。

posted by チトセアメ at 00:00| 北海道 ☁| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月06日

ヒブナかな?

昨日、北海道滝川市にある滝川地区地域防災施設(川の科学館)から、
たくさんの展示魚を分けていただきました。この施設は、結構立派な
水槽もあり、魚類の展示や教育活動にもすごく力を入れていたようなの
ですが、諸事情あって手放さなければならなくなってしまったようです。

実に色々な種類の魚たちをお分けいただきましたが、中にちょっと
変わった魚も混じっていました。

お分けいただいた魚の中で、コイの仲間は主に石狩川槽に入れたの
ですが、矢印のところにいる魚、少し色が違います。

DSCN3892.JPG

水槽の横から見ると、こんな感じです。

DSCN3893.JPG

DSCN3894.JPG

体形はフナですが、他のフナに比べ随分明るい体色をしています。
まだ「緋色」まではいきませんが、多分ヒブナです。だとすると、
サケふるでは初めての展示になります。
履歴がはっきり分からないのが残念ですが、しばらく飼いこんで、
色の変化を見てみたいと思います。


滝川からやってきた、本当に多くの魚たち。
すでに展示水槽にも出ています。大事にしますので、寂しい思い
をしている滝川の皆さんも、ぜひ会いにいらしてください。


ラベル:コイ類
posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☀| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月26日

お行儀悪し

サケふるの日本海水槽には、結構口の大きな魚がそろっています。
例えばケムシカジカ。

DSCN3727.JPG

ホッケを丸呑みにしたのは、記憶に新しいところです。

意外なところでは。ヒラメもそうです。

DSCN3726.JPG

この口で、ニシンを丸呑みにしてくれっちゃったこともあります。

今回はクロソイも、随分欲張ってくれました。

DSCN3796.JPG

ケムシカジカ用に、少々大きめにしたオキアミブロックを、横取り
して一口です。といっても、大きすぎたので苦しそう。
正面から見ると、こんな感じでした。

DSCN3792.JPG

でも、結局最後まで吐き出すことなく、食べ尽くしてしまいました。


日本海水槽ではないですが、最近アカメもかなり食欲が上がってきて、
大きな魚もこのとおり。

DSCN3799.JPG

口からはみ出た尾ビレからも、食べた魚の大きさが、お分かりいただける
のではないでしょうか。この写真だとアカメっぽくないので、もう一枚。

DSCN3804.JPG

ちょっとフラッシュ焚くとご覧の通り。
ちなみに、デジカメの赤目防止は全く利かないことは、実験済みです。


posted by チトセアメ at 23:59| 北海道 ☀| Comment(2) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月24日

ベニザケ無念

DSCN3683.JPG

昨年の9月29日から展示をしていたベニザケの最後の1匹が、残念ながら
本日力尽きてしまいました。写真が、そのベニザケの最後の姿です。

今シーズンはどの個体も随分調子が良く、1匹も落ちることなく年を越えるという快挙をやってのけていたのでかなり期待しましたが、初めてベニザケ
を飼育した1998年の2月28日まで、162日という記録には及びませんでした。
それでも、日付でいえば過去2番目、日数では過去3番目の長期生存となり
ました。

今回最後まで生存していた個体は、展示した6匹の中で一番早く色が褪せ、
11月下旬には痩せて泳ぎがフラフラとし始めた個体でした。きっと、一番
最初に力尽きるだろうと思っていたのに、結局最後まで残るという結果に
なりました。やはりまだまだ、魚の世界も奥深く経験不足、勉強不足です。

遡上してからエサを食べていないのですから、7〜8ヶ月を絶食状態で、海で
蓄えた栄養だけで生き抜いたことになるわけです。すごいものです。

参考までに、これまでのベニザケの飼育記録を以下に掲載します。


 搬入日    終了日   展示日数
98/09/19 → 99/02/28 162日
99/09/14 → 99/12/26 103日
00/09/22 → 00/11/02 41日
01/10/05 → 01/11/30 56日
× 0
03/09/25 → 04/01/06 103日
04/10/01 → 04/11/08 38日
05/09/20 → 05/11/15 56日
06/09/29 → 06/12/27 89日
07/09/14 → 08/02/20 159日
08/10/17 → 08/10/27 10日
09/09/11 → 10/01/13 124日
10/09/29 → 11/2/24 148日

今年もたくさんのベニザケが回帰してくれて、その美しい姿をなるべく
長く、たくさんの方に見ていただけたらと、思っています。


ラベル:ベニザケ
posted by チトセアメ at 23:58| 北海道 ☔| Comment(0) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月09日

ニジマス産卵

大水槽のニジマスが、開館以来初めて水槽内で産卵しました。
メスもオスも60cmオーバーのなかなか立派なニジマスです。

DSCN3633.JPG

赤矢印が、メスのニジマスです。
サケ(シロザケ)などは、川に遡上したらそれが寿命のため、気に入らない
環境でも、切羽詰まれば子孫を残すことを優先し、水槽内でも産卵します。

でも、ニジマスは何回か産卵できるので、これまで産卵環境としては決して
適しているとはいえない大水槽内では、産卵したことがありませんでした。
でも、なぜか今回はメス3匹がとても産みたいモードになっていて、2ペア
が形成され、うち1ペアが水槽内で産卵したのです。



少しだけ動画でご覧いただいてもお分かりの通り、周りにはブラウントラウト
やらチョウザメやら、邪魔者が一杯で、なかなか産卵に集中できません。
しかも大水槽の底はFRPの擬岩です。どんなにメスが頑張って産卵床を掘ろうと
しても、掘れる訳がありません。

今回のメスはちょうど良い感じの擬岩の凹みを見つけ、何回も尻ビレを差し入れ
て深さを測り、無理矢理自分を納得させての産卵だったのでしょう。
産卵の瞬間は撮影できませんでしたが、産み出された卵がこちら。

DSCN3674.JPG

赤丸の中に、黄色っぽい卵がお分かりいただけるでしょうか。
産卵行動はまだ続いていますので、本当に上手くタイミングが合えば、この週末
あたり、産卵の瞬間をご覧いただけるかも知れません。

ラベル:外来種
posted by チトセアメ at 23:48| 北海道 ☁| Comment(2) | サケふるの生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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