千歳川にたくさん生えている水草「バイカモ」の花です。
清流の象徴のような水草で、漢字で書くと「梅花藻」。白い小さな花が、梅の花に似ているところからその名が付いたようです。今年は例年に比べ、今のところ千歳川の水位が非常に低いので、水面に出ている花がとても見やすい状況になっています。
どうでしょう、上から見ると梅の花に似ているでしょうか。
実は千歳川には、「バイカモ」ともう1種、「千歳」の名を冠した「チトセバイカモ」が生息しています。
水草の図鑑によると、見分けるには花や実を拡大して見ないとならないようです。
そこで花の時期の今、ちょっと可哀想ですが少し花をいただいて顕微鏡で見てみました。
実はこのままでは種類は良く分かりません。
“花弁(花びら)”や“がく片”、“雄しべ”や“雌しべ”など花の各部が付いている「花托(かたく)」と呼ばれる部分を見る必要があるので、がく片や花弁を外してみました。
点線で囲った部分が花托です。ここを拡大して見て、毛が生えていたら「バイカモ」、無毛なら「チトセバイカモ」なんだそうです。ということは、上の写真はチトセバイカモのようです。
バイカモはどうなっているかというと
矢印の先、左側の花托に毛が生えています。つまり、左がバイカモ、右がチトセバイカモです。
それにしても、こんな風に花を採ってきて顕微鏡で見る以外に、見分ける方法は無いのでしょうか。
千歳川に生えているバイカモをよく見ると、下の写真のように割と見かけが違う2つのバイカモの群落があることに気が付きます。
分かりやすいように点線でそれぞれを囲ってみました。
上は全体的に緑色が濃く、葉が蜜に生えている感じです。一方、下の群落は明るめの緑というか少し黄緑色っぽく、葉と葉の間に茎が見えて間が開いた感じになっています。
これまで花を調べたところでは、どうも上がチトセバイカモ、下がバイカモということのようです。どちらかというと、今はチトセバイカモがたくさん開花していて、バイカモはまだチラホラという状況のようです。
果たして、全ての群落でこの見分けが通用するのかどうか、もう少し調べてみたいと思います。
とはいえ、バイカモの花は今が見頃。
種類云々あまり難しく考えず、まずは川辺を歩きながら、この季節だけの川面を彩る美しい白い花を堪能してみませんか。