いつも通りワシたちもいっぱいでしたが、その件は第三段でアップします。
上流の河畔を歩くと鳥だけではなく、シカの糞や
青空に映える街路樹のプラタナスの実なども目を惹きましたが、
鳥見に行ったはずなのに、やはり目に付いたのは、“ホッチャレ”とも呼ばれる産卵を終えたサケの死骸でした。以前「冬のサケ」でご紹介した産卵遡上していたサケたちが力尽き、あちこちに横たわっているのです。
倒木の周辺や流れの緩い淀みなどでは、多いところで10匹近く固まっているところもありました。もちろん、まだ泳いでいるサケもいます。
これらたくさんのサケの死骸は、冬を生き抜く生き物たちにとって、貴重な食料になります。
上流域には、カラスもいっぱいいました。もちろんカラスたちも、この恩恵を受けています。
河畔の雪の上、カラスがいる場所をよく見るとサケの死骸があるのが分かるでしょうか。
少し拡大してみましょう。
サケのお腹に穴が開いているようで、そこを一生懸命つついてハシブトガラスが内蔵を食べていました。サケの上に見える雪が赤くなっているところは、ナナカマドの赤い実を食べ散らかしたのか、それとも何かの血でしょうか。
それにしてもこのサケの死骸、川から結構離れた場所にあります。カラスには大きすぎるように思いますし、一体どうやってここまで運ばれたのでしょう?
すぐ近くで別のカラスたちが食べていたサケの死骸を見ていたときに、何となく答えが想像できました。
4〜5羽のカラスが集まって皆でサケをつついていたとき、突然騒ぎ出したかと思うと、一斉にサケから離れたのです。よーく見ると、崖の上から1匹のキタキツネが下りてきていました。
騒ぎながら頭の上を飛び交い牽制するカラスに対し、キツネは時々首を少しすくめるような姿勢をとるものの、さほど気にする様子もなく確実にサケに近づいていきます。そして・・・・・
ついに、落ちていたサケの一部と思われる部分をくわえ、カラスたちから走って遠ざかっていきました。
なるほど、キツネならサケをくわえて川から引き上げることも、どうにかできそうです。
実際、少し離れた場所では、別のキタキツネが川岸にあったサケの死骸を引き上げ、持ち去って行く姿も見えました(ピンぼけですみません・・・)。
本音を言えば、ここにワシたちが混ざってくれればいうことは無かったのですが、残念ながらワシ類がサケの死骸を食べるところは、確認することが出来ませんでした。
フロストフラワー同様、ワシの採餌観察もこの冬の課題として、もうしばらく通ってぜひ立ち会ってみたいと思います。