受精卵を得ることができました。

今回はバックヤードに組み立て式の直径2.5mのキャンバス水槽を設置し、大水槽から
チョウザメたちを移動して、人工採卵を行います。
ホルモン注射を打ち排卵を促し、24時間後から2〜3時間おきにお腹を押して卵が出るか
確認します。
最初の確認が16時頃、まだ出ない、まだ出ないと、翌日の午前5時。やっぱり出ない。
またもや排卵しないのかと、不安になりながら確認した6時半、お腹を押され嫌がった
メスが泳ぎ去ったあとに、黒いツブツブが見えました。
拾ってみると「やった〜!」紛れもないキャビアでした。
さて、ここからがいよいよ本番です。


水槽から担架にチョウザメを追い込み、そのまま麻酔用の水槽に移動します。相手は
体重60kg、体長2mの大物です。5人がかりでの移動です。

麻酔がかかったらタオルをまいて麻酔から出し、お腹を絞ります。
すると・・・。

大量の卵が出てきました。ようやくお目にかかれたキャビアに感動です。
でも、1回で全ての卵が出るわけではありません。少しずつ排卵した卵を絞り出し、
結局今回は夜9時まで、5回にわたって採卵することになり、最終的に1万粒ほどの
卵が採れました。
メスはかなりお疲れのようでしたが、何とか無事大水槽に戻りました。でも、まだ調子が
戻らないらしく、時々激しく暴れ、来館された皆さんを心配させています。
また、卵の質もあまり良くなかったようで、果たしてどのくらい孵化するのか、まだ分かり
ません。
「一安心」となるには、1週間くらいかかりそうですが、何とか親も卵も、無事生き
延びて欲しいものです。
採卵の記事が、千歳民報にも掲載されました。そちらもどうぞ、ご覧ください。
ラベル:チョウザメ