これまで2009年、2011年、そして2013年と採卵に挑戦し、ようやく昨年は多数のアムールチョウザメの稚魚をふ化させることに成功しました。
アムールチョウザメの親魚は大水槽にオス・メス各2匹います。前回はオス2匹から採精、メスの1匹から卵が採れました。今回はオスと前回卵が採れなかったメスから採卵を試みます。今回も北海道大学の足立先生と、学生さん達の全面的なご協力のもとに行いました。
まずは大水槽から取り上げたチョウザメたちを、扱いやすいようにバックヤードに臨時設置した水槽に移動します。
オスの採精は、総排泄孔から注射器の先に付けたチューブを入れて、精液を吸い出します。
前回の時よりちょっと薄めでしたが、今回も2匹とも精液を採取することが出来ました。
メスは卵の成熟度を確認するため、お腹を少し切って
やはり注射器の先に付けたガラス管を入れて吸い出します。
そして針と糸で縫い合わせます。
最後の仕上げはこちら。
傷薬のオロナイン軟膏を塗って完了です。見た目は結構痛々しいですが、でもこれで問題無く元気に泳ぎます。
今回、卵の状態も良さそうだったのですが、残念ながらメスの排卵が起こらず、人工授精にはいたりませんでした。採取した精液は液体窒素で凍結し、次回以降の採卵で精子が採れなかったときのため保存します。
今回頑張ったメスは、お腹の手術跡がまだ残っているので大水槽でもすぐ分かると思います。
気になる方は、傷の状態など確認してみてください。
ラベル:チョウザメ